先日、しばらく使っていなかったパソコンを処分した。
動画をHD画質でまともに視聴することができず、何をするにも重い
今となっては何一つ所持しているメリットがない。
こんな時代に取り残されたノートパソコンだが数年前、私の人格形成に大いに役立ってくれた。
その話を今回しようと思う。
まだ社会に順応できずにいた20代前半の頃、私はチャットパッドというサイトをよく使っていた。
このサイトはランダムで話し相手を決め、一対一でチャットが出来るというもの。
私はいわゆる”出会い厨”という奴だった
出会い厨とはマッチングアプリなどの出会いの場ではなく、TwitterなどSNS等で出会いを求める人達を指す。
チャットパッドは出会い厨だらけだった。
いきなり下ネタを言う人、いきなり性別を聞いて異性でなければチャットを中断する人…
中には卑猥な画像を送ってくる奴が山ほどいた。
そんな中、一人の女性と出会う
名前は、あいり(仮)
あいりはシングルマザーで、私と同い年だった
当時の私は22歳くらい
周りの22歳よりも、かなり大人に見えた
だが、やはりどこか幼い部分もあった。
チャットが盛り上がり、メールアドレスを交換する。
当時はLINEが普及しておらず、Skypeかメールアドレス交換がネット上での当たり前だった
アドレス交換を済ませ、しばらくメールのやり取りを続けると電話番号の交換をする。
そこから電話でのやり取りをするようになる。
電話で声を聞くと、やっぱり女性なんだなーと改めて思う。
電話は子供が寝静まった頃、21時辺りによくしていた。
色々話をしていると、家が近いことを知る
大体車で2時間程
会えない距離ではない。
私は会おうと考えたが、相手はそんなに乗り気ではなかった。
今になってよくよく考えてみれば、知らない男と会うなんて怖いと思う。
ある日、一通の電話が来る。
いつものように電話を取ると、あいりは今後トラウマになるような恐ろしいことを呟く。
「手首切ったの。今血がダラダラ出ている」
「色んな人に電話を掛けたけど、皆にブロックされた、あなたが最後に繋がった人」
………………………………………。
私は固まってしまった。
この時の私ではリストカットする女性を落ち着かせるだけの包容力は無かった。
一旦仕切り直したい、私はそう思ったのか
「一旦切ろうか」
と言ってしまった。
その事に怒って電話を一方的に切られ、そこから何をしても連絡が来ることはなかった。
私はぽっかりと穴が空いた気分のまま数ヶ月過ごすことになる。
ああ、そんな思い出もあったなぁ…。
そんなことを今ブログを書きながら思う。
他にもネットでの交流は沢山あったが、どれも悲しいものばかり…。
そんな思い出の詰まったパソコンのデータを完全消去し、捨てることにする。
パソコンのデータ消去というのはなかなか複雑で、隠しコマンドのようなものを押さなければ消去することが出来ない。
これが調べて実行するまでなかなか苦労した。
この画面に移行するまで調べ尽くし、かかった時間は2時間程。
古いPCのHDD消去はなかなか検索結果にたどり着かない…。
無事消去が終わり、処分することに。
色々と嫌な思い出もあったが、とても良い経験をさせてくれたこのPCには感謝しかない。
今までありがとう。