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30歳
つい最近、私は30歳になった。
以前、私の好きなラジオ番組で年齢というのは単なる数字であり、大した意味はないと言っていた。
確かに精神年齢の低い大人もいれば、妙に大人びた考えを持つ子供(18歳未満)も存在する。
だが30歳というのは私からすれば意味のある数字であり、大人と子供の境界線であると考えている。
つまり、精神が幼かろうと30越えれば皆大人
大人として扱われ始める
そう思うことが最近よくあるなとしみじみ思う。
虐待された子供はどのように育つ?
私は子供の頃、親に虐待を受けていた。
父は暴力的な人で、気に入らなければすぐ暴力をふるう。
大きな声を出し、子供相手に大人げないと思わないのだろうか?
そんな父の主な喧嘩の原因は、自身が作った借金だった
そんな借金をめぐって両親は毎日のように喧嘩をしていた
父が母に暴力をふるい、母が気絶するまで殴る蹴る姿を見せられる。
負けずに母は絶叫のような声を出し、ハサミを持って父を刺そうとする。
この世の地獄。
お前が悪い
いや、お前が悪い
私から言わせて貰えば、お前ら二人とも悪い
毎日のように喧嘩していたので、寝れないし物音がする度怯えていた。
学校と自宅しか自分の居場所が無かった子供は、どこにも逃げ道が無い。
そんな両親から離れ、私は早い段階で一人暮らしを始めた。
大学に行くことなく働き、一人で生活する術を誰に教わることなく身に付けていった。
30となった今考えてみると、誰に頼ることなく一人で生活できるようになったのもそういった過去があるから。
強く生きることが出来る
そんな感じのことを30歳の私は思うことが出来るようになった。
両親の離婚
私が高校生の頃、両親は離婚していた
よく、子供の為に離婚しない親がいると聞くが、毎日のように喧嘩されるようなら離婚してくれた方が良い。
それは子供のためと言いながら自分の為だろう。
虐待された子供は虐待を繰り返すという心理分析
子供の頃、虐待を受けた子供はまともな大人にはならないと色んな人が言う
虐待など、愛されることなく育った子供が親になっても同じように虐待を繰り返す…。
そういう心理分析をしてくる人間は多く存在する。
実際に虐待されて育った子供はそれを聞いてどう思うのだろうか?
虐待されて育った私はそれを聞く度、毎回嫌な気持ちになる。
確かに、統計を元にした事実なのだろう。
だが、そんな残酷なことをよく軽々しく言えるなと、その言葉を聞く度に強く思う。
私はまだ人の親になったことは無いが、そんな親にならないことを誓い、そのエセ心理分析を覆さなければいけない。
いい父親になって、そういった心理分析をしてくる輩に復讐をしなければ。
正しく生きることが復讐
そんな感じのことを誰かがテレビ言っていた。
誰かに危害を加えるつもりは無いので、そんな感じの復讐にしよう。
子供の頃のトラウマは消えるのか?
子供の頃、よく両親に殴られる夢を見ていた。
夢の中で殴られた私は、「ごめんなさい、ごめんなさい」と夢の中で言っていた。
起きて横にいた母に聞いてみると、実際に「ごめんなさい」と言葉を発していたという。
そんな夢は20代前半まで続いた。
そして30歳となった今。
そんな夢は一切見ていない。
完全にトラウマを克服したのだと確信している。
完全なトラウマの克服へ。父親を切り捨て、自由の身に
20代前半の一人暮らしを始めた頃、私は父に電話を掛けていた。
単純に私に対してどう思っているのだろう?
愛情はあったのだろうか?申し訳ないという気持ちはあったのだろうか?
これから父と決別する上で、それだけが気がかりだった。
電話をして話を聞いて、父と決別することに何の後悔も無いことがわかった。
父は
「俺は被害者だ」
「どうして謝る必要があるのか」
「俺に対して感謝は無いのか」
このようなことを言っていた。
ああ、この人以上のクズ人間は私の生活の中には存在しない。
これからも存在しないだろう。
そう思って私は、思っていた全ての汚い言葉を父にぶつけ、父と決別した。
もう2度と会うことは無いだろう。
どっかで死んでも私には無関係だ。
30歳になった現在、私はこの決断を誇りに思っている。
何も間違っていなかった。
母との関係
子供の頃は母に対しても憎しみを持っていた。
だが20代の頃、当時の両親の喧嘩、虐待について話をしたことがあった。
その話の途中、母は泣いて謝ってくれた。
それだけで私は復讐する気になんてならなかった。
現在は母の日にカーネーションを贈るなど、感謝を伝えるようにしている。
母との関係は現在も良好だ。
姉との関係性
子供の頃、姉とよく遊んでいた
私より面白いことを知っており、悪い遊びも教えてもらっていた(ちょっとだけ悪い遊び)
そんな姉も両親の喧嘩を目の前で見てからすっかり変わってしまった。
悪い友人、悪い恋人と付き合い始め
精神安定剤を毎日のように飲んでいた
姉は大人になっても不良のような人間のまま生きていた。
可哀想だとは思ったが、私はそんな姉に嫌気がさしていた。
今となっては全く連絡も取ってないし、どこに住んでいるのかも分からない。
今会ってみたら、全然違う真っ当な大人になっているのだろうか?
そんなことを現在の私は思う。
友達、周りの人に対する敵対心は消えるのか
子供の頃、両親の喧嘩を見て育った私は周りにいる人でさえも敵に思えた。
誰のことも信用してなかったし、むしろ嫌われるような態度を取っていた。
当然、学校や職場では孤立していた
そんな生活も20代前半まで。
段々と周りに気を遣うことが出来るようになっていったし、恋人も作れるようになった。
虐待されて育った人間も、努力次第で普通の生活に戻れる。
そんなことを30になった私は確信している。
時間が問題を解決してくれることも多い
よく、時間が解決してくれるよ
そう言う人も大勢いる
私もそう思う。
自分でトラウマを克服していくこともあるが、時間が問題を解決してくれることも多い。
実際、両親に対する怒りや怯えも時間と共に消えていった部分もあったし、何よりどうでもよくなってくる。
悩むだけ無駄、そんなことより今日の夜ご飯何にしよう?
そう考えることが出来るようになってくる。
勿論そうなっていくには環境を変えて、ある程度努力しなければいけない。
だが、確実に時間は問題を忘れさせてくれる。
30になった今、そう思う。